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阪神・中村GMのことば「人生、勝たなければいけません」

日刊プロ野球 2015年11月25日 10:00配信

 電車がホームに滑り込む音を頭上で聞くや、不意にダッシュし始めた。改札を通り抜けて、軽やかに階段を駆け上がる…。甲子園に向かう通勤時、乗換駅で何度も見せた中村GMのしぐさがなぜなのか、いまも頭にこびりついて離れない。

 今日も、いつもと同じように駆けだしているのではないかと、まだそんな錯覚に襲われる。9月23日に急逝してから2カ月になる。あのとき、南信男球団社長(当時)も「GMにいろんなものを背負わせすぎたのかな…」と言葉を失っていた。この日は戦場だった甲子園で「お別れの会」が催され、長男の中村大輔さんが謝辞を述べた。

 「父は選手、監督、GMとして優勝を体験することはできませんでした。その意味では野球人として、真の勝者とは言えないのかもしれません。しかし、命をかけて、自分の身を削り、戦い続けた父を男として勝者だと私は信じています」

 戦力整備に力を尽くし、マスコミの追及も全身で受け止めてきた。朝から嫌な顔一つせず、話に応じていただいた。いま、あらためて、その度量を思う。バックスクリーンに在りし日々が映し出された。「勝負事は勝たなければいけません。人生、勝たなければいけません」。まるで空から語りかけているようだった。

【酒井俊作】

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