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「あきらめない心」野球教室でも

日刊プロ野球 2014年11月19日 10:00配信

 ソフトバンク工藤新監督の野球教室に驚かされた。陸前高田市の野球教室に同行。参加した中学生62人全員とシート打撃で対戦し、合計180球を投げた。これを記事にしたのだが、容易なことではない。ネクストサークルから中学生が30人ほど、ズラリと並ぶ。しかも四死球はノーカウントの真剣勝負。休憩時間はない。そんな中、プロのカーブやスライダーを見せつけながら、工藤監督は丁寧に投げていた。見ている記者が気の遠くなる思いだった。

 この教室が始まる前には、本人からこんな話を聞いていた。「○○の野球教室では200球投げて、駅で肩をアイシングしたよ」。笑い話のように語るから、そのときは何も思わなかったが、言葉だけでなく、体を張ったコミュニケーション力は半端ではなかった。もちろん、参加した子どもも大喜びだ。

 指揮官の座右の銘に「あきらめない心」がある。野球教室を通して「やり抜く力」を感じた。目標を掲げ、実行できる力を養い、完遂する。その積み重ねがプロ実働29年という年月に表れている。日本一のチームを引き継ぎ、課せられたハードルは高い。2位でも順位は下げるのだから。いかにペナントレースを戦い抜くのか。指導者としての今後をしっかりと伝えたい。

【田口真一郎】

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