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「バット探しの旅」梅野の糧に

日刊プロ野球 2014年11月12日 10:00配信

 手にはオレンジ色のバットが握りしめられていた。9月24日の横浜スタジアム。現在、侍ジャパン21Uの代表で台湾にいるDeNA高城だった。「僕、迷走中なんです。同じような体なのに、なんであんなに飛ぶのかなと思って…」。打撃不振からの脱却を目指して、もがいていた。

 高城は福岡・九州国際大付出身。中学3年時、セレクションを受けた1つが福岡工大城東だった。その時、同じ捕手の高校生に目を奪われた。「すごかったですよ」。2年先輩の阪神梅野だった。それ以来のつながりで、オレンジのバットを譲り受けたのだった。

 一方で梅野もちょうど、プロの壁にぶつかっていた。高城に手渡したのは福岡大2年時から使い続けた、長距離打者用の一品。そのバットとは7月末に別れを告げていた。まず巨人坂本モデルのバットを発注。その後は鳥谷、関本らが実際に使うものを譲り受け、打撃練習で試した。不振を打開しようと必死だった。

 梅野のバットはシーズン終盤、またオレンジに戻った。「バット探しの旅」を経て、グリップをタイカッブ型に変更。コンパクトな打撃向きのものに微調整した。今季の打率1割9分7厘、7本塁打にさらさら満足はない。もがいた経験はきっと、2年目への糧になる。

【松本航】

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