侍ジャパン、世界一奪回なるか!? 鍵を握る「継投策」
2017年3月2日 12:00配信
大谷辞退、メジャー組は青木のみもタレントは豊富
3月7日、2017ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)がいよいよ開幕する。今回で4度目の開催となる野球世界一決定戦。過去、2006年の第1回大会、2009年の第2回大会で連続優勝を成し遂げた日本は、前回2013年の第3回大会では準決勝敗退に終わり、今回は「世界一奪回」を合言葉に掲げて大会に乗り込む。
本大会には予選が免除された12の国と地域と、予選ラウンドを通過した4チームを加えた計16チームが参加。日本はプールBに入り、キューバ、中国、オーストラリアと総当たりで対戦する。上位2チームが2次ラウンドへ進み、プールA(韓国、チャイニーズ・タイペイ、オランダ、イスラエル)を勝ち上がった2チームと合わせて再び総当たりの2次ラウンドが行われ、上位2チームが準決勝に進出する。準決勝以降はアメリカ・ロサンゼルスで一発勝負のトーナメント方式で試合が行われ、決勝は3月22日(日本時間23日午前10時)にドジャースタジアムで行われる。
小久保裕紀監督率いる侍ジャパンは2月23日から宮崎で強化合宿を行っており、その後の福岡、大阪での壮行試合・強化試合を実施。7日からキューバ戦、8日にオーストラリア戦、同10日に中国戦(いずれも東京ドーム、19時試合開始)を戦い、勝ち上がれば12日からの2次ラウンドへと駒を進める。
大谷翔平(日本ハム)の辞退に大きく揺れた侍ジャパンだが、投打において戦力は整っている。投手では菅野智之(巨人)、則本昂大(楽天)、石川歩(ロッテ)、武田翔太(ソフトバンク)、藤浪晋太郎(阪神)といった各球団のエース格を招集。また、右投げの増井浩俊(日本ハム)、秋吉亮(ヤクルト)、千賀滉大(ソフトバンク)、牧田和久(西武)、平野佳寿(オリックス)、左投げの宮西尚生(日本ハム)、松井裕樹(楽天)、岡田俊哉(中日)といったリリーフ陣が多くメンバー入りしており、球数制限(※)がある中で、先発、第2先発、中継ぎ、抑えと言った継投策が試合の大きなポイントになる。
野手陣もタレント豊富で、筒香嘉智(DeNA)、中田翔(日本ハム)の左右の大砲に加え、坂本勇人(巨人)、山田哲人(ヤクルト)、菊池涼介(広島)、松田宣浩(ソフトバンク)といった日本球界のスター選手が勢揃い。“神ってる”で昨年の流行語大賞を受賞した鈴木誠也(広島)に、メジャーリーグからは日本で年間200安打を2度達成したヒットメーカー・青木宣親(アストロズ)も参戦する。田中将大(ヤンキース)や前田健太(ドジャース)などその他の日本人メジャーリーガーの参加は叶わなかったが、小久保監督は「我々の武器は、若さと結束力」と語り、選手、ファン、すべての力を一つにして「目標はただ一つ」と優勝のみを見据えている。
ブックメーカーの優勝オッズで日本は3番手
だが、その道はこれまで以上に険しいものになる。今大会の大きな特徴として日本以外の各国に多くのメジャーリーガーがメンバー入りしていることにあり、特に中南米勢はドリームチームとも言える陣容を揃えた。前回優勝のドミニカ共和国は、カノ、クルーズ(ともにマリナーズ)、ベルトレ(レンジャーズ)ら一流の強打者たちがズラリ。同じくベネズエラも、マリナーズのエース・ヘルナンデス、カブレラ(タイガース)、アルトゥーベ(アストロズ)ら錚々たる面々。そしてこれまで4強が最高成績のアメリカにも2年連続2冠のアレナド(ロッキーズ)を筆頭に、マカチェン(パイレーツ)、ポージー(ジャイアンツ)らのスター選手が参戦し、初優勝へ向けての態勢を整えている。
その他でも、前回日本が敗れたプエルトリコ、永遠のライバルである韓国、昨年末の強化試合でも日本が苦しんだメキシコ、前回大会で旋風を巻き起こしたオランダ、野球大国のキューバなど手強い相手が揃う。イギリス、アメリカのブックメーカーの優勝オッズでは、日本はドミニカ共和国、アメリカに次ぐ3番人気。どれだけ下駄を履かせても、日本が優勝筆頭候補ではないことは確かだろう。
その予想を覆すためには「結束」が必要。準決勝で敗退した前回大会の悔しさを胸に、日本人の力を再び世界で見せ付けることができるか。決して不可能ではない。歓喜は、手の届くところにある。
(※)1次ラウンドは65球、2次ラウンドは80球、準決勝・決勝95球の球数制限がある。また、50球以上投げた場合は登板間隔を中4日、30球以上を投げた場合は中1日を空けなければならない。
(提供:株式会社インターナショナルスポーツマーケティング)