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2013年の黄金期が再来!? 日本人投手の活躍を見逃すな

2017年3月28日 16:00配信

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田中将大(写真:Getty Images)

 “メジャーリーグに日本人投手の黄金期が来た”と騒がれたシーズンがある。2013年のことだ。この年はダルビッシュ有(レンジャーズ)、岩隈久志(マリナーズ)がア・リーグのサイ・ヤング賞(最高投手賞)投票で2、3位を占め、黒田博樹も“ヤンキースのエース”として確立した。上原浩治(現カブス)、田沢純一(現マーリンズ)の救援ディオはレッドソックスの世界一に大きく貢献し、秋の球界を沸かせた。

 それから時は流れ、2017年。まもなく開幕するメジャーの今シーズンでは、伝説の2013年に勝るとも劣らないほどの活躍が日本人投手たちから期待できそうだ。

 ダルビッシュ、ヤンキースの田中将大は、それぞれ開幕投手の栄誉を授かった。ダルビッシュは自己初、田中は3年連続の快挙で、同じ年に日本人投手が2人も大役を務めるのは史上初のこと。ともに近況の良いこの両雄が、今季を通じて渡米以降でも最高のシーズンを過ごす可能性は低くない。

 2015年3月に右ひじにトミー・ジョン手術(側副靱帯再建手術)を受けたダルビッシュは、昨年5月にメジャー復帰。その後、17先発で7勝5敗、防御率3.41というまずまずの成績を残した。トミー・ジョン手術を受けた投手が完調に戻るのは一般的に復帰2年目と言われ、ダルビッシュも今季に最高級のピッチングを見せても不思議はない。オープン戦でもここまで防御率2.86という好成績で、今年こそその稀有な素質が完全開花すると予想する関係者は少なくない。

 今春のオープン戦での田中はダルビッシュ以上に絶好調だ。ここまで5試合に投げ、18回1/3で無失点と完璧。メジャー3年目の昨季にア・リーグ防御率のタイトルを最後まで争った右腕(結果は3位)は、黒田に続き、“ヤンキースのエース”として完全に定着した感がある。

「もっと良い投手になれるはず。本当にトップのピッチャーは100球以上投げる。自分も同じように投げていけるようになっていけば、エリートレベルに近づいていける」

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ダルビッシュ有(写真:Getty Images)

 田中はそう語り、1年間で199イニングを投げきった昨季よりさらに多くのイニングを投げることを今季の目標に挙げている。先発投手は長いイニングを稼ぐことが重要視されるメジャーで、200イニング以上を投げれば実際に評価はさらに上がる。心身が充実した状態で迎える今シーズン、“マー君”がサイ・ヤング賞争いの候補になるような活躍をみせてももう誰も驚きはしない。

 このトップ2以外では、昨季メジャー1年目でいきなり16勝を挙げた前田健太(ドジャース)の飛躍も楽しみ。35歳の岩隈、41歳の上原というベテラン2人も健在で、今季もチーム内で重要な役割を担いそう。野手陣では、WBCに参加した青木宣親(アストロズ)は日米通算2000安打まであと35本に迫り、衰え知らずの43歳イチロー(マーリンズ)の活躍も楽しみだ。

 何より楽しみなのは、多くの日本人選手がそれぞれ優勝が狙える強豪チームに属していることだ。緊張感溢れるポストシーズンの大舞台で、日本人選手の活躍に優勝の行方が委ねられることになるかもしれない。

 日本人投手の黄金期、再び――。様々な角度から見て、2017年が日本人投手たちにとって素晴らしいシーズンになる要素は揃っている。彼らの活躍こそが、日本のファンにとって今季の最大の見どころになるはずである。

文・杉浦大介